< 膝の痛みを訴える人が増えているが…>
年齢を重ねるにつれて膝の不調に悩む方は確実に増えています。 病院では「変形性膝関節症」と診断され、湿布やヒアルロン酸注射、痛み止めの処方を受けるのが一般的です。しかし、それでも「良くならない」「また痛みがぶり返す」と感じていませんか?レントゲンで軟骨のすり減りが見つかったとしても、それは「結果」であり、「原因」ではありません。実はその前段階で、体の使い方や動きのクセに問題が起きているのです。 この視点こそが、何をしてもよくならなかったあなたの痛みに、答えをもたらすかもしれません。
< 膝関節症の原因は「膝」だけでは説明できない>
膝関節症の根本的な原因は“膝以外の場所”にあることが多いのです。
特に見落とされやすいのが、「股関節」や「骨盤」、「足首」といった、膝とつながる関節の動きや位置関係です。歩く・立つ・階段をのぼるといった動作は、股関節や足首、骨盤などが連動して初めてスムーズに行えます。 この連動がどこかで崩れると、負担が“膝だけに集中”してしまい、痛みや変形の原因になります。
<骨盤と股関節のズレが膝に与える影響とは?>
膝の痛みを語るうえで見逃してはならないのが、「骨盤」と「股関節」のズレです。
これらの関節は、膝の動きと密接に連動しており、実は膝関節症の“見えない原因”として非常に
重要な役割を果たしています。 たとえば、骨盤が左右どちらかに傾いていると、それに引っ張られるようにして股関節の可動域にも偏りが生じます。これが続くと、半月板や靱帯などの軟部組織に負担が蓄積され、痛みや炎症を引き起こします。 しかも、それは画像検査では捉えきれない“動きの異常”であることが多く、見逃されやすいのが現実です。
< 脛骨・腓骨の回旋と膝痛の関係>
膝関節は、大腿骨(もも)と脛骨(すね)、そして腓骨(外側の細い骨)という3つの骨で
構成されています。このうち、脛骨や腓骨がわずかにねじれたりズレたりするだけでも、
膝には大きな影響が出ることをご存じでしょうか? たとえば、脛骨が外旋(外側に回る)してしまうと、膝関節の内側に圧力が集中し、半月板や内側側副靭帯に過剰な負担がかかります。その結果、痛みだけでなく、膝の不安定感や違和感につながることがあります。 つまり、膝関節の痛みは「骨自体の変形」ではなく、「動き方の不調和」が引き金になっている可能性が高いのです。
痛みを取るだけでは足りない、“体全体を診る”という視点
多くの方が「とりあえず痛みが引けばいい」と思って、湿布や注射、電気治療などを
受けています。しかし、それで一時的に楽になったとしても、数ヶ月後、あるいは数年後に
再び同じ場所が痛み出す…という経験はありませんか? それは、「痛みだけを追いかける治療」では根本的な解決にならないからです。 本当に大切なのは、「なぜその部分に痛みが出ているのか?」という原因を探ること。
<まとめ:「膝が悪い」と決めつける前に、知ってほしい体の真実>
膝関節症と診断されると、多くの人が「もう年だから仕方ない」「手術しかないのかな」
と諦めがちになります。しかし本当にそうでしょうか?
今回お伝えしたように、膝の痛みの多くは、膝そのものに原因があるのではなく、 股関節の硬さ、骨盤の傾き、脛骨や腓骨のねじれ——こうした小さな歪みの積み重ねが、膝への負担を増やし、やがて痛みや変形となって表れるのです 。 今、膝の痛みに悩んでいるあなたへ。 「本当の原因はどこにあるのか?」という問いを持つことが、何よりも大きなヒントになるかもしれません。








