徒手療法において、内臓自体に対して介入することは可能であり、必要性があります。
というのも、内臓には連結があり、その2つの組み合わせは両方ともが器官という場合、肝臓と腎臓だったり、器官と筋性の壁という場合であれば肝臓と横隔膜というような場合があります。内臓の連結を構成する面は滑らかで膜や体液に覆われているともいわれ連結の表面は互いに滑るようになっていて滑走性があります。
また上体を右に側屈すると、腹部の右側の器官はその動きを受けて圧迫され左側の器官の付着部は左側の体幹が伸展するために上体を前屈すると重力の影響を受けることと、腹腔内器官の可動力が強いことから腹腔内臓器は前方に移動するといわれます。これは身体運動の中で内蔵器は連動して動くことが求められるということです。
そこで、座りっぱなしの状態で行う活動はなんであれ小腸と大腸を圧迫されることで可動性が奪われていしまい、結果蠕動運動に悪影響を及ぼします。
また両腕を引き上げて最大限背屈すると胸椎が伸展し、肋骨は吸気時の位置になり肺も伸張して胸部の動きに連動することで、肺の努力性呼吸をしなくても肺の容量が増えます。
つまり姿勢が悪いと、消化器機能の低下を自ら招いたり、肺の動きも小さくなることで呼吸が浅くなります。こういった状態が慢性的につづくような環境が出来上がると時間の経過(加齢)とともに徐々に身体の不調が出現することも考えられます。