日常生活において必要な膝の可動域の目安は以下の通りです。

正座: 150～165度
しゃがみこむ・靴を履く: 130～145度
自転車を漕ぐ: 110度
椅子からの立ち上がり: 105度
階段昇降: 95度
歩行: 70度

また人工関節になった際の可動域角度は平均120度ほどと言われております。平均で120度ほどのため、およそ10%の方では正座ができるほど改善するケースもあると言われております。

変形性関節症では、関節が変形などで曲がらなくなっている場合でも痛みがそこまでない方もいます。しかし、できていた動きをしなくなっていく恐怖感などにより、無理をしてその動きをしつづけようとすればより痛みが増悪し、痛みの原因が当初は急性的な関節や関節周囲の炎症などがメインで、炎症を落ち着かせるため無理をせず治療をしていれば落ち着くような状態でも、できない動きを無理にする日常が慢性的に症状を引き起こし続けていくことも考えられます。

なので、手術をする前の可動域が術後の平均くらいあれば、120度以上必要な正座やしゃがみこみの動作は床生活から椅子生活にかえることや、靴を履く際の靴べらを長いものに変えるなどの施策などが必要になります。